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趣意文

 

趣意文

 

 

 「立憲主義を守り、安保法制に反対する駒澤大学有志の会」は、「安全保障関連法」を即刻廃止することを強く要求します。

 

 2015年9月19日、日本の憲法学者のほとんどが「違憲」と断じた「安全保障関連法」が成立しました。

私たちの戦後史は、侵略戦争という決定的な過ちに対する反省にもとづき、主権在民・戦争放棄・基本的人権の尊重を柱とした日本国憲法を制定し、「アジアの中の日本」として平和で民主的な社会を建設するために努力してきた道のりです。集団的自衛権に基づく武力行使を可能にする「安全保障関連法」は、私たちのこの長年にわたる営為を葬り去ろうとするものです。

 

 歴代政府が墨守してきた「集団的自衛権は憲法上、行使できない」とする内閣法制局の解釈を、長官の首のすげ替えと閣議決定でひるがえし、それをもとに法律を作ったことは、立憲主義の破壊です。しかも、「戦争法案」の矛盾や問題点が次つぎに露呈し、国民の大多数が議論は尽くされていないと感じ、法案に反対する声が増え続ける中、与党は数に任せて採決を強行したのです。強行採決の後、与党政治家は、国民はすぐに忘れるだろうと放言しました。しかし、私たちは戦争の悲惨さも日本国憲法の普遍的価値も、そして立憲主義がないがしろにされた「9月19日」も、ないがしろにした者のことも決して忘れません。

 

 駒澤大学は、寄附行為第3条に「仏教の教義並びに曹洞宗立宗の精神に則り、学校教育を行うことを目的とする」と

あるように、仏教、なかんずく禅の教えを建学の理念としています。仏教の根本的な教えは、すべての存在が「苦(思いのままにならぬこと)」から脱することです。そしてそのために、あらゆる争いを拒絶します。他者を理解し、共に生きること以外に、真の「安心な」世界を創造する手段はない、それが仏教の教えです。

 

 第二次世界大戦中、駒澤大学も軍部の圧力に屈し、学業半ばの学生を戦地に送り出しました。これは、駒澤大学の歴史における痛恨の過誤でした。曹洞宗もまた、かつて侵略戦争や植民地支配に加担していた事実を認め、これを反省し、「不戦の誓い」を立てました。21世紀に駒澤大学で教育・研究にたずさわる私たちは、その歴史にふさわしく、平和と民主主義と個人の尊厳を守るために行動する、誇り高き学園の一員でありたいと思います。

 

 その拠りどころである日本国憲法の国民主権と平和、基本的人権をおびやかす「安全保障関連法」は、憲法の理念に現実を近づけようと積み上げられてきた民主的実践に対する挑戦でもあります。

  したがって、私たちは、ここに「立憲主義を守り、安保法制に反対する駒澤大学有志の会」を結成し、「安全保障関連法」の廃止に至るまで声を上げ続けることを誓います。

 

 曹洞宗の「不戦の誓い」については、曹洞宗SOTOZEN-NET「平和」に関するアピール文をご参照ください。(http://www.sotozen-net.or.jp/activity/peace

 

立憲主義を守り、安保法制に反対する駒澤大学有志の会

 

2016年1月29日

2016年2月20日修正・加筆

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